It's a Manyou World!万葉集のセカイ
額田王

額田王

作者:額田王
味酒 三輪の山
 あをによし 奈良の山の
 山の際に い隠るまで 
道の隈 い積もるまでに
 つばらにも 見つつ行かむを 
しばしばも 見放けむ山を
 心なく 雲の 隠さふべしや

味酒うまさけ 三輪みわやま 青丹あをによし 奈良ならやまやまかくるまで みちくま いつもるまでに つばらにも つつかむを しばしばも 見放みさけむやまこころなく くもかくさふべしや

旅歌

旅歌

現代語訳

美酒の名所、三輪の山。青丹よし奈良の山々の、その山の端に隠れてしまうまで、道の曲がり角に積もるように見えなくなるまで、心ゆくまで眺めながら行きたいのに。何度も見送ってきたこの山を、どうして無情にも雲が隠してしまうのだろうか。

シチュエーション

天智天皇が都を「飛鳥」から「大津(近江)」へ移した時(西暦667年)の引越しの際に読んだ歌です。自然への愛情と別れの哀しみが交差する額田王らしい一首。三輪山はただの山ではなく、大和そのものの魂のような存在です。それが隠れて見えなくなることは、住み慣れた故郷との永遠の別れを意味します。

原文

美酒之三輪山,青丹佳之奈良山,其山際將隱之時,至道路曲隈積聚之處,欲盡情觀望而行。然數度所眺之山,竟被無情之雲所遮蔽,豈不可恨哉。

アイテム ー三輪山

「三輪」と呼ばれる前は、「三諸山(みもろやま)」と呼ばれていました。「み」は尊称、「もろ」は「室(むろ/神様が鎮まる場所)」を意味し、「神が籠もる山」という意味でした。苧環説話で、三輪という名前がついたといわれています。https://kojiki.kokugakuin.ac.jp/chimei/miwa/

額田王 のゆかりの地

関連画像(Wikimedia引用)

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