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柿本人麻呂

柿本人麻呂

作者:柿本人麻呂

やすみしし 大君おほきみ かむながら かむさびせすと 吉野よしのがは たぎつ河内かふち高殿たかとの高知たかしりまして のぼ国見くにみをせせば たたなはる 青垣山あをかきやま 山神やまつみまつ御調みつきはるへは はなかざしあきたてば 黄葉もみちかざせり [一云 黄葉もみちばかざし] 沿かはかみ大御食おほみけつかまつると かみ鵜川うかはしも小網さでさしわた山川やまかはりてつかふる かみ御代みよかも

寿歌(讃歌)

寿歌(讃歌)

現代語訳

国を安らかに治められる大君が、神々の御心のままに吉野川の激しく流れる河内に高殿を構え、そこに登って国見をなさると、青垣の山々は山の神が奉る御調のように、春には花を飾り、秋には黄葉を捧げる。川の神までもが大御食に仕えるように、上流では鵜が川を立ち、下流では小網が張られる。山も川も皆、天皇に従って仕える——まさに神々しい御代である。

シチュエーション

吉野行幸を讃える柿本人麻呂の長歌。吉野は天皇の聖なる地として古くから尊ばれ、自然そのものが天皇に奉仕するかのように描かれている。山は花や紅葉を捧げ、川は鵜飼や漁の営みを通して大御食を支える。自然と政治的象徴が重なり、天皇の治世の神聖さを強調する典型的な寿歌である。

原文

安見知之 吾大王 神長柄 神佐備世須登 芳野川 多藝津河内尓 高殿乎 高知座而 上立 國見乎為勢婆 疊有 青垣山 々神乃 奉御調等 春部者 花挿頭持 秋立者 黄葉頭刺理 行副 川之神母 大御食尓 仕奉等 上瀬尓 鵜川乎立 下瀬尓 小網刺渡 山川母 依弖奉流 神乃御代鴨

柿本人麻呂 のゆかりの地

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