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柿本人麻呂

柿本人麻呂

作者:柿本人麻呂

楽浪ささなみ志賀しがの [一云 比良ひらの] おほわだ よどむとも むかしひとに またもはめやも [一云 はむとおもへや]

挽歌

挽歌

現代語訳

志賀(琵琶湖)のこの大きな湾が昔のようにゆったりと淀んでいたとしても、ここで暮らしていた昔の人(かつての天皇や貴族たち)に、再び会えるだろうか。いや、もう二度と会えはしない

シチュエーション

琵琶湖西岸の名所・志賀の地を背景に、過ぎ去った恋を思い返す歌。『淀むとも』は景色の停滞を示すと同時に、作者の心の停滞を象徴している。『昔の人』とは、再び会うことの叶わない相手を指し、望んでも戻らない時間への切ない感情が込められている。異伝の「逢はむと思へや」も、再会を願う気持ちの強さを示す。

原文

左散難弥乃 志我能 [一云 比良乃] 大和太 與杼六友 昔人二 亦母相目八毛 [一云 将會跡母戸八]

アイテム ー壬申の乱

天智天皇が亡くなった後、「跡継ぎ」をめぐって親戚同士で殺し合いをした大ゲンカです。大海人皇子(叔父) 勝利し、大友皇子(甥)が 自害しました。20年後に人麻呂がこの歌を詠んだのは、死者の魂をなぐさめるためともいわれています。近江大津宮(現在の滋賀県大津市付近)は、 かつて天智天皇が都を置いた場所ですが、天智天皇の死後、壬申の乱(じんしんのらん)という激しい内乱が起こり、都はわずか5年で廃墟となりました。

柿本人麻呂 のゆかりの地

関連画像(Wikimedia引用)

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